Coming Out

私は、留学に関して家族にずっとだまっていた。その後ろめたさはかなりのものだった。ただ、アメリカの大学を卒業して日本に帰ってきたとき、とてもうれしそうだった両親を覚えているだけに、中途半端な気持ちで伝えることだけはしたくなかった。出願を決めたとき、合格するまでは絶対に言うまい、と決めていた。特に、トップスクール3校しか受けなかったので、全部落ちるかもしれない、という可能性も十分にあった。

お昼過ぎに行ったのに、なかなか切り出せない。わけもなく、部屋の中をうろうろしてしまった。結局いえたのは晩御飯の後。「会社辞めるから。」「辞めて何するの?」「大学院に行く」「どこの?」「アメリカの。。。」

ショックだったに違いない。なのに、すぐに言ってくれた。「自分で決めたんだからがんばってきなさい。」本当にうれしかった。こんな二人の間に生まれて本当によかったと思った。「お金のことも心配するな」「2年なんてすぐよね」

また、涙があふれた。ここまで支えてくれる両親に、どんなに感謝しても足りない。がんばってこなければ、と心に決めた。